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オリジナル長編(?)小説を展開しています。
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「ねえ僕ずっと前から気になってたんだけど何で君といつも鉢合わせするんだろう」
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「風の便りに寄れば、この辺りと聞く」
ひゅうひゅうと風が吹く中、ひとつの影が平然と立っていた。凄いのは、それが電柱の上に立っているという事である。人影が動いた瞬間、じゃき、と重い鉄の音がした。
「あのお方のご命令。お前に恨みは無いが、消えてもらおう」
ひらりと、風に写真が舞う。それは次の瞬間、穴が開いていた。
「・・・あいつを、連れ戻す為に」
写真が風の抵抗を失い、地面に音も無く落ちる。その写真には、空猫町立空猫高校の制服を着た、長い黒髪の女が映っていた。
顔の部分に穴が開けてあるから、それが誰かは断定できない。
君は覚えていなくても、僕は確かに覚えてる。
この、桜の木ノ下で。
どうしても、気になる事がひとつある。
今日の空猫高校内部生徒会室では、1人の男が奥に据えられた大きな机の椅子に腰掛け、大きく息を吐き出した。
男の名前は、空猫校生徒会長玉兎真。
空猫町内にある古くからの名門、結城家の鳥籠の中にいる鳥が大声で鳴いた。
「珍しい事ですね、この鳥が鳴くなんて」
使用人の桃乃はそう呟いた。鳥は依然、鳴き続けている。
鳥の名前はハルツグ。千鳥に良く懐いている鶯だった。
「真さん、何かに吹っ切れたみたいで、剣に迷いが見えなくなったんです」
嬉しそうにお玉を振り回す千鳥を見て、桃乃は微笑む。
この前、ハルツグが鳴いたのは、きっとこの子の心の声を聞いたからだったんでしょうね。
「あ、桃乃さん、明日はお弁当を作りたいんで、食材を取っといてくれると助かります」
「お弁当? 明日学校はお休みでは?」
「いえ。剣道大会があるんです」
「真さーん、資料を持ってきましたー・・・ってあれ? だあれ? 君たち」
「ぼくだよちどり、わすれたの?」
「うん? あたし、坊やみたいな子知らないなー? ぼく、名前は?」
「からすばしんく」
「その・・・何て言うかだな、あの時はそのー・・・なりゆき? みたいな。・・・不可抗力?」
「それ強ち嘘じゃないね。僕たちにはどうにも出来なかった事だ。重力、みたいなもの?」
「言い訳臭いの止めて頂けますかご両人」
「伯父さん、ここに荷物を置いて良いですか?」
「ああ、そうだな。窓の辺りにでも置いておけ」
「! 伯父さん、あの隣の建物は?」
「おお、お前は今日来たばかりだから知らないのだな。あの広大な和屋敷は古くから栄える武士の名門、結城家の屋敷だ」
あーあー、只今マイクのテスト中。本日は晴天なり。緩やかな風に靡く万国旗も中々風流で良し。青空の下走る少年少女たちの活躍が期待頂けると存じます。青い鉢巻を巻いた真さんの凛々しい表情も素敵なもんですね!
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HN:
うぐいす
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/08/08
職業:
ノートにガリガリすること
趣味:
小説を書くこと
自己紹介:
小説に特化したブログを作ってみました。
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