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オリジナル長編(?)小説を展開しています。
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「で? あの男前気取ってる奴が会長の玉兎真くん、ってわけ?」
男子生徒は頷いた。目の前には「卒業生」の札を胸につけた強面の男がじっと据わった目でグラウンドにいる男を睨みつけている。男子生徒は手に持っている紐を差し出した。
「先輩、俺、先輩に遅れない自信があります。だから俺と一緒に走って下さい。どうしてもアイツを負かしたいんです」
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「もう終盤だね」
「おう。今んとこ青組ブルーシャークスがぶっちぎり1着だな」
「そーだね。あ、次! 真さんの出る種目!」
「なになに?」
「あーッ! いい男発見!」
ひとりの女性が、川沿いのテラスに座る男を見てそう言いました。
男は凛々しい深緑色の切れ長の瞳を持ち、ぼさぼさで手入れなどしていないはずなのにきらきら日光に反射して輝くその髪の毛はほうぼうに風に揺れています。彼は自分を凝視する女性を見つけると、訝しげに片眉を上げました。そこに女性がすかさず駆け寄りました。女性はキラキラ瞳を輝かせながら彼に言います。
「こんにちは! 話題の高校生、玉兎真くん! 取材にOK出してくれてありがと!」
「ああああー!! 先ほどに続きまたいい男!」
少年は煩わしげに顔を上げました。精緻な人形のようなその表情は日陰の中でもなお白く見えます。少し長めの黒髪は光に透けるように靡き、少年の玉のような頬に当たってはさらさらと流れ落ちます。彼は弾丸の如く駆け寄ってきた女性を冷たい目で見やります。
「きみ、なに?」
「えー・・・あの、取材申し込んだものですけど・・・」
「ああ、君だったの。まさかこんなうるさい奴が来るとは思わなかったから」
辛辣な言葉を吐く少年ですが、女性はめげません。
「クールなところも素敵ね! じゃあ取材始めちゃいますね、烏羽真紅くん!」

「で、今日はお嬢さんにお話を伺いたいんだけど、いいかな?」
男はそこで話を気ってウインクしました。目の前の少女はふわりと微笑みます。
「はい、お願いしますね」
「(かわいい・・・!!)うん、宜しくね、結城千鳥ちゃん」

元より私は人より遥かに不良とまでは行かないけれど属性的に「悪」だったと思う。言われてみれば仕方あるまいな。エアガン撃っていたしな。皆の目が私を恐れていたしな。
だから、あんなお方に会うのは初めてで。
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HN:
うぐいす
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1992/08/08
職業:
ノートにガリガリすること
趣味:
小説を書くこと
自己紹介:
小説に特化したブログを作ってみました。
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